1992年の宝石広場誕生から今年で30年。
創業者である会長自ら30年の歩みを振り返ります。
私たち「宝石広場」は1992年の設立以来、お客様第一主義を貫いてきました。その哲学はどのようにして生まれたのでしょうか。そこで宝石広場の広報部が、創業者である杉本祐司会長に「宝石広場の30年」をインタビュー。お客様に長く愛していただくめに試行錯誤を繰り返した30年を、どうぞご覧ください。
― まずは、「宝石広場(ほうせきひろば)」という命名の背景を教えてください。
最初はカタカナも検討しましたが、覚えてもらいやすいほうが良いかと思いまして、「だったら漢字かな」と思いました。ジュエリーなどを扱っていたので「宝石」を入れようとまずは思って、その後「『市場(しじょう・いちば)』も入れてみるのはどうか」という話もありました。ただ、他にも似たような企業があったので他の言葉にしたいなと思っていたところに「広場」というアイディアを貰い、「宝石広場」という形になっていきました。その後「○○広場」って名前の企業が増えてきたので、実は先駆者なんですよ(笑)。
―「広場」というのも『顧客との交流をする場』としても解釈できますし、親しみを感じられますね。
そうですね。ただ創業当時は「宝石市場」なんて間違いも多かったですね。(笑)
― 宝石広場の始まりは、業者さんとの取引を行うBtoBから一般のお客様向けのBtoCに転換されたところからと聞いています。新しい業態に手を出すことに不安はありませんでしたか?
元々、BtoBの取引だけでは限界があると考え、BotCでやることは決めていました。買い取り専門ってその当時はそんなになかったんですよ。競合は質屋さんぐらいです。ただ、当時の質屋さんの対応の仕方を見て、「もっとお客様に寄り添う形にできる。改善できる余地はあるな。」と感じました。なのでそこに注力すればBtoCに切り替えてもやっていける自信がありました。しかし、集客がないことには話になりませんから、そこだけがネックでしたね。
―「お客様に寄り添う」という部分を意識されたとのことですが、どのあたりがポイントになると考えましたか?
基本的には値段と商品理解ですね。(売るなら)高いほうがいいに決まっていますし、我々もいくらで売れるかわかっていれば買取りやすいですから。そこは当時から負けないと思ってました。あとは親切に対応することですね。値段だけではなく、お客様の気持ちを作っていくことも大事ですから。
―Twitterを見ていても「接客が丁寧」というコメントがよく見られました。そのあたりが選ばれる理由なのかもしれませんね。
― 少し話を戻しまして、一般のお客様への販売をはじめから意識されていたとのことですが、実際に業態を切り替えるまでは時間をかけたと聞いています。この辺りはどういう思惑があったのですか?
本当はもっと早くやるつもりでした。正直、踏ん切りがつかなかったというのも原因の一つではありますし、タイミングが合わなくてなかなか切り替えられませんでした。ただ振り返ってみると、ちょうどバブルがはじけた後での切り替えでしたので、買い取ってほしいお客さんが増えて結果的にいいタイミングで方向転換できたと思います。人材にも時流にも恵まれて、運がよかったです
― 実際に切り替えてからはどうでしたか?
一度お客様に足を運んでいただければ自信があったのですが、相変わらず集客が課題でした。あるとき知り合いに、とある雑誌社を紹介していただきまして、足を運んでみることになりました。その後、特集を組んで雑誌に載せてもらうことになったんですが、特集された雑誌が発売されるとすごい効果覿面(てきめん)。あれがなかったら今はなかったかもしれませんから、関係者にはとても感謝しています。本当に運がよかったです。
― 30年続いているのは時流を掴んだことだけでなく、お客様から愛され続けていることも要因の一つだと思いまが、会長はどういった点が背景にあると考えていますか?
昔は、まずスーツを着て接客をしてしまうとお客様が身構えてしまいますから、店員をカジュアルな服装にすることで敷居を高く感じさせないようにしていました。馴染みの店として認知してもらう・気に入ってもらうことが一番ですから、そこが良かったのかなと思います。「話を聞いてもらう」「良い値段で買い取ってくれる」このあたりがポイントですかね。
― 創業から30年をいろいろ振り返ってもらいましたが、最後に「これからの30年」はどう取り組んでいきたいか聞かせてください。
やり方は大きく変えられるものではありませんが、「また来ていただけるような接客」は引き続き徹底していきたいですね。買う・売るだけじゃだめですから。あとは、お客様を大事にするのはもちろんですが、社員も大事にしていきたいですね。社員があっての会社です。